ボッチャのルールや使う用具を、簡単にわかりやすく紹介

ボッチャというスポーツを知っていますか。パラリンピックで初めてボッチャを知ったという人もいるはずです。

ボッチャは、初め障がいをもっている人のスポーツとして考案されましたが、現在では障がいのあるなしに関わらず老若男女誰もが楽しめるスポーツになっています。

ここでは、誰もが楽しめるボッチャのルールや使う用具などについて、簡単にわかりやすく紹介していきます。ルールを知ることで、ボッチャができるようになります。

ボッチャを知らなかった人、ボッチャをやってみたい人は、これからぜひ挑戦してみてください。

目次

ボッチャとは?

ボッチャは、簡単に言うと、ジャックボール(目標球)の白いボールに、赤・青の6球ずつのボールを投げたり、転がしたりしていかに近づけるかを競うスポーツです。

ボッチャは、古代ギリシャの球投げが起源で、6世紀のイタリアで現在の原型ができたと言われています。

その後、重度脳性疾患者や四肢重度機能障がい者のために、ヨーロッパでスポーツとして考案されました。1984年のパラリンピックで紹介され、1988年でパラリンピック公式競技となり、現在でもパラリンピックの正式種目です。

自分の意思をアシスタントに伝えることさえできれば、用具を使用して参加することができます。

競技は、男女の区別はなく、個人戦と団体戦があります。団体戦は、2対2のペア、3対3のチーム戦があります。

ボッチャのルール

ボッチャは、ジャックボール(目標球)の白いボールに、自分のチームのカラーボールをいかに近づけるかを競うスポーツです。ここでは、ボッチャのルール(流れ)や得点の数え方を紹介します。

ボッチャのコート

  • ボッチャは、12.5m×6mのコートで行われます。
  • 投球するための、2.5m×1mのボックス(スローイングボックス)があります。スローイングボックスには、選手、ランプ、ランプオペレーターがおさまるようにする必要があります。

ボッチャの流れ

  1. 先攻後攻を決めます。
  2. 先攻がジャックボール(目標球)をスローイングボックスから投げます。
  3. 先攻が自分のチームのカラーボールを投げます。
  4. 後攻が自分のチームのカラーボールを投げます。
  5. ここからは、カラーボールがジャックボールより遠い距離にあるチームが、相手チームよりジャックボールに近づくまで投げ続けます。
  6. すべてのカラーボールを投げ終わったら、得点をつけます(1エンド終了)。
  7. 先攻と後攻を入れ替えて、1~6を繰り返します(個人戦とペア線は4エンド、チーム戦は6エンド)。

ボッチャの得点の数え方

ボッチャは、カーリングのように得点を数えます。カーリングでは、中心が基準になりますが、ボッチャではジャックボールが中心にして得点を数えます。

ジャックボールに一番近い相手カラーボールよりも、近い位置にある自分のカラーボールの個数が得点になります。

ジャックボールから一番近い位置に同じ距離で各チームのカラーボールがあったときは、各カラーボールにつき1点ずつ得点になります。

ボッチャの用具

ボッチャボール

ボッチャで使うボールは、目標となるジャックボールと各チームが投球するカラーボールがあります。

ボールの大きさと重さ
・周長:270mm±8mm以内
・重さ:275g±12g以内

カラーボールはどれも同じように見えますが、障がいの特性やプレイスタイルによって、硬さや材質が違うことがあります。

天然皮革製:ボールに凹凸が少ないため、まっすぐ転がりやすい。
フェルト製:表面が毛羽立っているため、滑りやすい。
人工皮革製:表面がしっとりしているため、滑りにくい。

規定に沿ったボッチャボールがあればボッチャはできるので、初めてボッチャに挑戦する人はセットでそろえるのがおすすめです。

  • ジャックボール(目標球)1個・・・白色
  • カラーボール12個・・・赤色6個、青色6個

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ランプ(勾配具)、リリーサー

ランプとリリーサーは、障がいの程度によって必要になる用具です。いろいろなものがあるので、パラリンピックなどを見る際に注目して見てほしい用具です。

ランプ

自分で投球できない場合に使用するすべり台のようなものです。スピードが出るようにランプを長くしたり、ねらいを見やすいようにランプを透明にして裏側から見えるようにしたりするなど、いろいろな工夫がされています。

リリーサー

自分の手でボールを押し出すことができない人が、口や頭に装着してボールを押し出すことができるようにした用具です。

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パドル、キャリパー

審判が使用する用具です。みんなで楽しむとき厳密にやることはないので、楽しむときにはあまり必要ありません。

パドル

柄杓のような形をしていて、片面が赤色、もう片面が青色になっています。次に投げるチームをパドルの色で示します。

キャリパー

メジャーやコンパスの役目があります。ジャックボールとカラーボールの距離を測る用具です。大(30cm)・中(16cm)・小(10cm)の3種類があります。

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ボッチャの投げ方=自由

ボッチャの投げ方にきまりはありません。上から投げても、下から投げても、蹴ってもよいルールになっています。ボールを投げることができなければランプを使うこともできます。

投げ方は自由ですが、投げ方に工夫があります。

アプローチ

ジャックボールに近づけるために、やさしく転がすこと。

ヒット

相手チームのカラーボールをジャックボールから遠ざけるために、強く投げたり転がしたりすること。

プッシュ

自分のチームのカラーボールをジャックボールに押して近づけるために、投げたり転がしたりすること。

上級者になると、ライジングやジャンプというテクニックを使い、見る人を楽しませます。

ライジング

ジャックボールが相手チームのカラーボールに囲まれるなど密集しているときに、ジャックボールの上にカラーボールを乗せること。

ジャンプ

カラーボールを弾ませて、ジャックボールに近づけること。

ボッチャのクラス

ボッチャは誰もが楽しめるスポーツですが、パラリンピックなどの国際大会では、脳原性疾患のあるなしなどによってクラスが分かれています。クラスによって、勾配具の使用、アシスタントのあるなしに違いがあります。

スクロールできます
対象投球アシスタント
BC1脳原性疾患〇(足蹴り〇)
BC2脳原性疾患×
BC3脳原性疾患/非脳原性疾患×(ランプを使用)〇(ランプオペレーター)
BC4非脳原性疾患△(足蹴り選手のみ〇)

BC1

対象は脳原性疾患のみです。車イスの操作ができず、四肢・体幹に重度の麻痺があるクラスです。車イスを固定してもらったり、ボールを渡してもらったりなどの介助が必要です。

  • 対象:脳原性疾患
  • 投球:〇(足蹴り〇)
  • 勾配具:×
  • アシスタント:〇

BC2

BC1と同様に対象は脳原性疾患のみです。上肢での車イスの操作がある程度できるクラスです。

  • 対象:脳原性疾患
  • 投球:〇
  • 勾配具:×
  • アシスタント:×

BC3

最も障がいの重いクラスで、自分で投球できず競技アシスタントのサポートで、ランプを使用して投球を行います。

  • 対象:脳原性疾患、非脳性原性疾患
  • 投球:×
  • 勾配具:〇
  • アシスタント:〇

BC4

非脳原性疾患ですが、筋ジストロフィーなどBC1・BC2と同じように、重度四肢機能障がいのあるクラスです。

  • 対象:非脳性原性疾患
  • 投球:〇
  • 勾配具:×
  • アシスタント:△(足蹴り選手のみ〇)

日本独自のオープンクラス

障がいの程度が、BC1~BC4に相当しない選手のために創設された日本独自のクラスです。

オープン座位

BC1~BC4に該当しない座って投球するクラスです。車イスの使用の有無は関係ありません。

オープン立位

片麻痺や下肢の股関節疾患などがあっても、立って投球することができるクラスです。

まとめ

ボッチャは、ジャックボール(目標球)の白いボールに、赤・青の6球ずつのボールを投げたり、転がしたりしていかに近づけるかを競うスポーツです。老若男女、障害のあるなしに関わらず、誰もが一緒に楽しめます。

ボッチャは、次のような流れで進みます。

  1. 先攻後攻を決めます。
  2. 先攻がジャックボール(目標球)をスローイングボックスから投げます。
  3. 先攻が自分のチームのカラーボールを投げます。
  4. 後攻が自分のチームのカラーボールを投げます。
  5. ここからは、カラーボールがジャックボールより遠い距離にあるチームが、相手チームよりジャックボールに近づくまで投げ続けます。
  6. すべてのカラーボールを投げ終わったら、得点をつけます(1エンド終了)。
  7. 先攻と後攻を入れ替えて、1~6を繰り返します(個人戦とペア線は4エンド、チーム戦は6エンド)。

ボッチャを楽しむために必要な用具はボールだけで、必要に応じてランプやリリーサーが必要になります。

  • ボッチャボール
  • ジャックボール
  • (必要に応じて)ランプ、リリーサー
  • (審判であれば)パドル、キャリパー

ボッチャは、投げ方は自由で、ボッチャボールさえあればできますので、ぜひ遊んでみてください。

その他にも、誰でも楽しめる「モルック」というスポーツもありますので、ぜひチェックしてみてください。

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