1年生算数「引き算」の教え方は?元小学校教員がわかりやすく解説!

子どもが小学生になり、1年生の引き算でつまずいているけど、教え方がよくわからないと悩んでいる人もいるはずです。

引き算は、足し算と似ていますが違いがあるので、悩む人の気持ちがよくわかります。

ここでは、元小学校教員が、引き算の教え方だけではなく、引き算の意味から解説していきます。

教える人が引き算の意味や教え方をしっかり理解することで、子どもにわかりやすく教えることができるはずです。

目次

引き算の意味

初めに出てくる引き算は3種類あります。どれも式では同じ表現で同じ計算ですが、違いがあります。

3種類ある内のどの引き算の問題なのかを考えて教える必要があります。

残りの数

「残りの数」は、いくつかを取り去ったあとの数を求める場面です。

「引く」ということが明らかなため、「引き算」を教える上で基本となります。

あめが8個あります。3個食べると何個残りますか。 式 8-3=5

鳥が6羽います。2羽飛んでいくと、何羽になりますか。 式 6-2=4

折り紙が7枚あります。5枚使うと何枚残りますか。 式 7-5=2

部分の数

「部分の数」は、着目している数を取り除いた数を求める場面です。

「残りの数」と似ていますが、「引く」という動きがないため、具体物などを使って引き算をすればよいことを教えることが大切になります。

子どもが7人います。女の子は4人です。男の子は何人ですか。 式 7-4=3

くじが10枚あります。はずれは6枚です。あたりは何枚ですか。 式 10-6=4

折り紙が7枚あります。5枚使うと何枚残りますか。 式 7-5=2

ちがい

「ちがい」は、2種類のものの個数のちがいを求める場面です。

「残りの数」と「部分の数」は1組の具体物(おはじきやブロック)を操作すればよかったのですが、「ちがい」は2組の具体物を操作しなければなりません。

赤組の子が5人います。白組の子が3人います。ちがいはいくつですか。 式 7-4=3

バスが5台あります。トラックが4台あります。バスのほうが何台多いですか。 式 5-4=1

ねこが6ぴきいます。犬が2ひきいます。ねこのほうがなんびき多いですか。 式 10-6=4

引き算の教え方

引き算の教え方には順序があります。順番を知ることで、どこでつまずいているのかがわかります。では、順番通りに確認していきましょう。

引き算の意味を教える

先ほど紹介した「引き算の意味」を教えることが大切です。引き算の意味は3種類ありますので、それを子どもにわかりやすいように、かみ砕いてその意味を教えましょう。

「引く」=「減る」と教えることは間違いではありませんが、部分の数を求めたり、違いを求めたりする場面もあります。何を求めている場面なのか整理してあげるとよいでしょう。

具体物を使って計算する

具体物とは?
・おはじき  ・数図ブロック など

「引く」ことが理解できたら、具体物を使って計算していきます。

初めは家にあるあめやクッキーなど子どもが興味をもつもので、問題を出すとよいでしょう。

けれど、慣れてきたらだんだんと具体物(おはじきや数図ブロック)に置き換えていくことをおすすめします。なぜなら、ねこや犬が問題に出てきたとき、ねこや犬を準備するわけにはいかないからです。

どのような問題でも、具体物を使って引き算のイメージができるようになったら、次に進みます。

繰り下がりのない引き算を計算する

具体物で引き算のイメージができるようになったら、繰り下がりのない引き算を練習することが大切です。

2-1
3-1 3-2
4-1 4-2 4-3
5-1 5-2 5-3 5-4
6-1 6-2 6-3 6-4 6-5
7-1 7-2 7-3 7-4 7-5 7-6
8-1 8-2 8-3 8-4 8-5 8-6 8-7
9-1 9-2 9-3 9-4 9-5 9-6 9-7 9-8

繰り下がりのない引き算は、36とおりあります。引き算カードや練習問題集を使ったり、時間のあるときに問題を出したりして、引き算にたくさん触れ合うようにしましょう。

繰り下がりのある引き算を計算する(さくらんぼ計算)

繰り下がりのない引き算をしっかり練習したら、繰り下がりのある引き算を計算します。繰り下がりのある引き算は、「さくらんぼ計算」で行います。

さくらんぼ計算とは?
はじめの数を分けて「10」といくつに分けて計算する方法

さくらんぼ計算の手順は、次のとおりです。

STEP
12を10と2に分ける

「10」といくつに分けるのがポイントです。

STEP
10から7を引いて3
STEP
3と2で5

繰り下がりのある引き算は、さくらんぼ計算で繰り返し練習することが大切です。何度も繰り返すことで、繰り下がりのある引き算が簡単にできるようになります。

繰り下がりのある引き算は、2年生で学習する引き算の筆算にも使われるため、1年生のときにしっかり理解しておくことが大切です。

まとめ

引き算には、3種類の意味がありますので、それぞれの違いを意識して教えるようにしましょう。

  • 残りの数
  • 部分の数
  • ちがい

引き算の教え方には、手順がありますので、つまずいているときは、どこでつまずいているのか確かめましょう。

  • 引き算の意味を教える
  • 具体物を使って計算する
  • 繰り下がりのない引き算を計算する
  • 繰り下がりのある引き算を計算する(さくらんぼ計算)

順を追って教えることで、子どもは「できた!」という達成感を味わうことができます。ぜひ、つまずきを見つけて家庭で引き算を教えてみてください。

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