【保護者必見!】元教員が教える2年算数「時計」の教え方

2年生になると、時計の学習があります。日常生活で「何時何分」とすでに読める子どもは多いですが、学びのつながりを考えると大切にしたい学びになります。ここでは、元小学校教員がはじめての「時計」の学びのポイントを紹介します。元小学校教員が教える時計の学びの大切さを知ることで、学校で何を学んできているのか、家庭で教えるときに気を付けることは何かがわかります。

目次

学ぶこと

小学校の教員が、何をポイントとして教えているのかが分かれば、家庭でも子どもに分かりやすく教えることができるはずです。学校では、時刻と時間のちがい正午の意味や午前と午後の区別日・時・分の関係について気を付けて教えています。

時刻と時間の違い

時刻と時間には違いがあります。小学校2年生の学習では、時刻と時間を明確に使い分けています。

時刻:「〇時〇分」という時の流れの中のある1点
時間:ある時刻からある時刻までの隔たり、時の経過の長さ

「時刻」を問う問題は、以下のようなものです。
・家を出る時刻は?
・学校に着く時刻は?
・給食がはじまる時刻は?
・給食がおわる時刻は?
など、時の流れの中のある1点を問います。まだ2年生ですので、学校生活と結びつけられている問題が多いです。

「時間」を問う問題は、以下のようなものです。
・家を出てから学校に着くまでの時間は?
・給食のはじまりからおわりまでの時間は?
など、時刻を使って時の経過の長さを問います

家庭では、時刻と時間の違いを意識して声をかけるだけで、学校の学びと自然と結びついてきます。

正午の意味、午前と午後の区別

正午の意味、午前と午後の区別は、それほど難しい内容ではありません。2年生では、お昼の12時が「正午」であることを学び、その前後が「午前」「午後」であることを学びます。

正午=お昼の12時
午前=正午の前
午後=正午の後

午前と午後のとらえ方は、日常生活で使う「昼前」「昼すぎ」「昼食の前」「昼食の後」などの経験をもとにします。午前と午後は、日常的に繰り返し使うことで自然と定着していきます。

学習したあとは、あえて「午前」と「午後」をつけて子どもに時刻を聞いてみるとよいです。

子どもから「正午は午前と午後のどっちですか。」という質問がよくきます。小学校2年生では、簡単にしか触れられない(ほとんど触れられない)内容ですが、答えとしては「正午」は「午前12時」であり「午後0時」です。もし、子どもに聞かれた際には「午前でもあるし、午後でもある」と答えてあげてください。

日・時・分の関係

日・時・分の関係は、以下のとおりです。

1時間=60分

1日=24時間

まず「朝7時に起きてから,家を出る8時まで」などの具体的な場面をとおして、長針が1回転する時間が1時間であること、長針が1回転する間の短針の動きから1時間は60分であることを学びます。

また、午前12時間、午後12時間あることから、1日が 24 時間であることを、図や時計の模型をもとに学びます。家庭では、24時間営業のコンビニやスーパーがあった際に、この学びを結びつけると学びが深まります。

学びのつながり

2年の「時計」の学びは、3年の「時間」の学びにつながります。3年生の学びは、以下のようなものです。

・9時50分に公園を出て、10時25分に家に着きました。かかった時間はどれだけですか。
・9時45分に公園を出て、25分歩いて学校に着きました。学校に着いた時刻は何時何分ですか。
・学校を出て40分歩き、10時10分に公民館に着きました。公民館を出た時刻は何時何分ですか。

3年の「時間」では、このような正時(分や秒の端数の付かないちょうどの時刻)をこえて長針が動く場合や、午前から午後にかけた時間経過などについて学びます。2年生の「時計」の学びとは違い、つまづきがとても多くなります。3年生でも時計の模型の針を動かし、針が進んだ目盛りの数を数えたり、数直線上に表された時刻や時間を読んだりすることになるので、2年生の学びが生かされます。

2年生での学びを適当にしないで、3年生にもつなげられるようにしてほしいです。3年生の「時計」の学びは、つまづきが多いのですが、学校で学ぶ時間は多くて5時間程度です。時計は、日常的に使うので、2年生のうちから家庭で簡単に触れておくとよいかもしれません。

まとめ

2年の算数「時計」は、教科書によりますが、だいたい3時間程度の時間で学びます。そのため、定着が図られる前に、進んでしまうことがあります(授業時間はある程度決まっているので)。家庭では、学校で学んだことを日常生活の中で結び付けて、意識的に時計に親しめるようにするとよいかもしれません。

この学びは時計を読めるだけではなく、これを生かして生活リズムを意識させたり必要な時間を考え行動につなげたりすることに意味があります。ぜひ、家庭でもこのようなことを大切にして、生活させてほしいです。

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