2年生で初めて分数を学びます。分数は、3年、4年、5年、6年とすべての学年の分数の学びとつながっています。そのため、2年生で分数をしっかり知っておかないと、これからの学びに関係してきます。ここでは、元小学校教員が、初めての分数の学びのポイントをわかりやすく紹介します。
学ぶこと
小学校の先生たちがもとにしている「小学校学習指導要領」では、2年生の「分数」について以下のように書かれています。
・1/2、1/3など簡単な分数について知ること。
2年生の学びは、これだけです。簡単な分数について知ることができれば大丈夫です。
では、簡単な分数とは何でしょう。簡単な分数とは、1/2、1/3、1/4のように、分母が1けたの分数のことです。そして、分数を使うと半分にした大きさなどを表すことができる、ということも学びます。学ぶときには、折り紙やテープなどを実際に折る活動をして分数の感覚を身に付けていきます。
では、詳しく見てきましょう。
半分に分ける
まず、トーストやケーキ、お好み焼きなど、普段生活していて分けたことがありそうなものを使って、「半分に分ける」ということを知ります。
次に、正方形や長方形、円などを半分に分けます。実際に折り紙などを折って、1/2を確かめていきます。折り方は、縦でも横でも斜めでも何でもよいです。等しく半分に分けていることが大切です。
家庭でも、折り紙やチラシなどを使って折ってみるとよいでしょう。そのとき、たてや横、ななめなどいろいろな折り方を考えさせるとおもしろいです。

「分数」という言葉を知る
最後に、1/2、1/4などの大きさ、「分数」という言葉を知ります。

2年生の分数は、この内容を3時間程度で学びます。大人は簡単に感じますが、学ぶ時間が短く復習することがあまりないため、3年生では2年生の学びを忘れてしまっている子が意外に多いです。3年生で分数を学ぶまで忘れないように、家庭で何かの機会を見て、分数をふり返られるようにするとよいでしょう。
分数=等しく分ける
分数で気を付けなければならないのは、「等しく分ける」ということです。折り紙や紙テープなどを、適当に折って2つに分けても「1/2」ではありません。
家庭でも、何かを半分に分ける場面があるはずです。そのとき、等しく分けているときは「1/2」を使い、もし2つに分けた大きさが違うときは「これは1/2なのかな」と子どもに投げかけてみるとよいでしょう。そうすることで、「等しく分ける」ということが自然と身に付きます。
学びのつながり
分数は、すべての学年の学びとつながっています。もちろんその先の、中学校、高校の数学でも分数の学びはつながっています。そのため、それぞれの学年で分数をしっかり学ぶことが大切です。どのように学びがつながっているのか簡単に見ていきましょう(これがすべてではありません)。
3年
・分数の意味と表し方
・簡単な分数(同じ分母)のたし算とひき算
4年
・1より大きい分数(帯分数)
・大きさの等しい分数(1/2=2/4など)
・分数のたし算とひき算(答えが1より大きい)
5年
・整数や小数を分数にする
・分母の小さい分数にする(約分)
・分母が同じ分数にする(通分)
・分数(違う分母)のたし算とひき算
6年
・分数のかけ算とわり算
分数は、それぞれの学年の多くの学びとつながっています。学ぶ内容を簡単に並べましたが、一つ一つの学びは、学年が上がるにつれて難しくなっていきます(そのように感じます)。そのため、初めての分数をしっかり学び、それにつながるそれぞれの学年の分数の学びも大切にしていきましょう。そうすることで、分数を難しく感じることも少なくなるのではないでしょうか。
まとめ
初めての2年生の算数「分数」の学びで、大切なポイントがわかったでしょうか。子どもにとっては、初めての分数ですので、大人が感じているほど簡単な学びではありません。だからこそ、日常生活で何か分けることがあるときに、分数について声をかけるとよいでしょう。また、「等しく分ける」ということも家庭では大切にしてほしいです。
